監督が求めることと自分のやりたいこと。アントラーズで抜擢され、干された監督との付き合い方
岩政大樹が書き下ろす選手と監督の距離感
■岩政大樹「現役目線」第30回
初の著書『PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』が選手、ジャーナリストから「今年最高に面白い本」と絶賛される岩政大樹氏による最新寄稿。
選手に求められる、監督との適切な距離感
サッカーにおいて監督の存在は絶対です。「選手にとって“いい監督”とは試合に使ってくれる監督」とはよく言われる言葉で、選手は監督に必要とされなければ試合に出ることさえ叶いません。さらにサッカーの場合、選手を見る基準を数字で現すことができないことから、選手の評価には監督の趣向が少なからず反映され、選手は接する監督によって立ち位置を微妙に変化させなくてはなりません。
その付き合い方は、選手にとってとても大きな比重を占めます。それが外国人監督ならなおさらです。日本代表のハリルホジッチ監督も、お会いしたことはありませんが、かなりデリケートな付き合い方が必要なタイプに見えます。
監督の求めるものが明確に示される場合はまず、自分のやりたいことより、監督の求めるものを”やろうとする姿勢”を示すことが優先です。自分のやりたいことがどんなに正しいと思われることであっても、監督に「戦術を理解していない」「求めるものができない」と判断されてしまったら元も子もありません。試合に出続けて自分の立場を確立し、監督との信頼関係を築くことができるまでは「監督から見た自分の立ち位置」を客観的に見ることができなくてはなりません。
外国人監督だとそれは、より難しくなります。言語の違いにより言葉が意図したものと違って伝わってしまったり、文化の違いからそもそもの考え方が違っていたりするからです。